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イベント:11月19日[土] 16:00〜 スライド上映会+村上仁一とのトーク(事前予約 / 参加費¥1,000)
スライド上映・トークイベント 西村多美子+村上仁一
ご予約はメールかお電話にてお願いいたします。

この度、禅フォトギャラリーは西村多美子写真展「あれから」を開催いたします。本展は2018年の「旅人」、2020年の「続旅人」に連なる三部作の最終章となります。西村が90年代から直近の2022年に撮り下ろした新作を含め、国内外を旅した際に撮り続けてきたスナップショットを中心に、70年代初期のシリーズ「しきしま」「憧景」よりセレクトした代表作を加えた展示構成となります。

西村は写真を撮り始めた68年頃から、世界的にデジタルが主流となった現在に至るまで、半世紀を超える作家活動歴の間、一貫してフィルムで撮影し、自ら暗室でプリントを制作するという姿勢を変えていません。本展で紹介する多くの作品は彼女による手焼きのオリジナルプリントです。今回は約25点をご覧いただけます。

 「写真学校の学生だった1968年頃から、興味のある事や人や物を自分の好きなように写真に撮ってきた。それは心地良い体験だった。  1968年に唐十郎率いる劇団状況劇場の舞台写真を撮った。最初の撮影の時に、結界を易々と越えてしまう役者たちに、漫然とシャッターを切っても何も写らないことを知らされた。私は凝視して、凝視して、レンズを突き抜けて、役者にぶつかって行くほどの勢いで撮るしかなかった。二年間、可能な限りすべての公演を撮影した。この時の写真は『実存』というタイトルで2011年に出版された。

好きな写真家はジョセフ・クーデルカだ。初めてジプシーの写真を見た時、まず真摯なものの見方に感動した、というより衝撃を受けた。自分が被写体と向き合った時の理想の姿を見た気がしたのだ。
2011年、チェコへ行った。クーデルカは1968年8月プラハで、ソビエト連邦主導によるワルシャワ条約機構軍の軍事介入を撮影している。『プラハ侵攻 1968』で有名な写真、手前に腕時計、突き当りに国立博物館が見えるヴァーツラフ広場で、写真を撮ってみたいと思った。結局、私の撮った写真は腕時計の代わりに、女の背中になってしまったのだが。[......]  

劇団状況劇場から始まり、秀でた個性ある人々と出会い、そして旅に出て写真を撮ってきた。今はまだ、自分が旅の途上に佇んでいる気がする。」

—— 西村多美子『あれから(My Journey III. 1993-2022)』あとがきより抜粋

今回の展覧会に合わせ、禅フォトギャラリーより『旅人』三部作の最終篇として『あれから(My Journey III. 1993-2022)』を刊行いたします(700部限定、6,600円税込)。2018年に三部作の最初の一作目となった写真集『旅人』を刊行して以来、禅フォトギャラリーは西村の写真に対する姿勢を反映させながら、彼女の初期から近年に及ぶ未公開作品を包括的に紹介してきました。是非この機会に西村の今も続く旅の途上から生まれた印象的な作品の数々をご高覧ください。

【新刊写真集情報】西村多美子写真集『あれから』

2022年10月刊行予定|サイズ: 219 x 250 x 13 mm | 156頁 | モノクローム写真128点 | ソフトカバー、フランス装|日本語、英語 | 700部限定 | 6,600円 | お問い合わせ: 禅フォトギャラリー、shashasha

【イベント情報】

① スライド上映会:「旅人 1968-2021」(無音声・20分)
② 対談:西村多美子 × 村上仁一(雑誌『写真』編集人・写真家)
モデレーター:アマンダ・ロ(企画コーディネーター)

<日程> 11月19日[土] 16:00〜 スライド上映に続けて 対談イベントを開催
<参加方法> 参加費:1000円|予約制( info@zen-foto.jp まで)

<概要>
2021年に香港・大館當代美術館にて開催された大規模なグループ展「信任&迷惑 trust & confusion」に出品された、西村多美子によるスライド作品「旅人 1968-2021」をこの度初めて日本で上映いたします。上映後、雑誌『写真』編集長の村上仁一さんを迎え、対談トークを行います。

大館當代美術館学芸員の譚雪氏のキュレーションにより企画され、制作された「旅人 1968-2021」は、西村が1968年頃に撮影した「実存:状況劇場」、70年代の「しきしま」「憧景」、80年代以降に歌人・福島泰樹や指揮者・大友直人などのパフォーマーを撮影した作品や、「舞人木花咲耶姫」のシリーズで全国行脚した作品など、近年までの400点余りの未公開作品を含めた作品群で構成されています。2台のモニターを本の見開きのように左右に並べ、それぞれに異なる写真をスライドの形式で見せる、西村多美子のこれまでの作家歴を回顧した作品です。

今回のイベントでのスライド上映が本邦初となります。また、上映後には作家を囲んで村上仁一さんとともにフィルム写真へのこだわりや昨年の香港の展示について、これまでの作家歴を振り返りながら語り合います。

村上仁一 Masakazu Murakami

写真家、編集者。1977年、東京生まれ。2001年、東京ビジュアルアーツ卒業。第16回写真『ひとつぼ展』グランプリ、第5回 ビジュアルアーツフォトアワード大賞を受賞。写真集『雲隠れ温泉行き』を出版。2008 年から2021年まで雑誌『日本カメラ』の編集を務めた。小林紀晴『写真と生活』、田村彰英『夢の光 -Light of Dreams-』、上野修『写真・批評・集成』、金村修『エクトプラズム プロファイリング』、北井一夫『写真家の記憶の抽斗』、瀬戸正人『深瀬昌久伝』などの編集にも携わる。雑誌『写真』(ふげん社)編集人。

アマンダ・ロ Amanda Ling-Ning Lo

台北生まれ。早稲田大学国際教養学部卒。ZEN FOTO GALLERYを経て、2018年に独立。2020年より東京と京都を拠点に、写真集のブックデザインなど、「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」の運営に携わりながら、「京都 昌幸堂」のメンバー、「二手舎 京都」の店主をしている。西村多美子『旅人』三部作、須田一政『網膜直結指先目カメラ』、中藤毅彦『White Noise』、倉田精二『EROS LOST』、殿村任香『焦がれ死に』などの編集、ブックデザインを手がけている。

【SPECIAL EDITION『旅人』合本限定版】

『旅人』三部作の写真集全てを一つの合本としてまとめたスペシャルエディションを10部限定で受注販売いたします。京都の職人の手製本によるクロス装、それぞれ異なるイメージの作家による手焼きプリント、そして作家のサインが入った合本の証明書が入ります。(企画・発行:禅フォトギャラリー|デザイン:アマンダ・ロ|製本監修:京都 昌幸堂|製本:株式会社大入|10エディション+3AP|RCプリント|クロス装に黒箔押しタイトル)

西村多美子『旅人』三部作の出版企画は2018年から始まり、禅フォトギャラリーはこれまで4年間をかけて作家とともに未発表の写真を整理してきました。西村の写真に対する姿勢を反映させながら、最初から1冊の集大成写真集にするという編集手法をとらず、『旅人(My Journey 1968-1979)』、『続(My Journey II. 1968-1989)』、『あれから(My Journey III. 1993-2022)』という三部作の形になりました。それぞれの印刷用紙や編集手法が異なるので、本来は愛書家が自分用に装丁し直すために購入する分として作られる仮綴じ装本の一つである「フランス装」ですべて装丁されています。『旅人』三部作は、色違いの表紙が合本版の扉ページに変わり、西村多美子の50年余りに及ぶ旅の途上を意識した装丁の集大成の合本として限定販売いたします。

Artist Profile

西村多美子

1948年東京生まれ。1969年東京写真専門学院(現東京ビジュアルアーツ)卒業。主な出版物に『しきしま』(東京写真専門学院出版局、1973)、『熱い風』(蒼穹舎、2005)、『実存1968-69状況劇場』(グラフィカ編集室、2011)、『憧景』(グラフィカ編集室、2012)、『しきしま 復刻新装版』(禅フォトギャラリー、2014)『猫が・・・』(禅フォトギャラリー、2015)、『舞人木花咲耶姫 — 子連れ旅日記』(禅フォトギャラリー、2016)、『旅人』(禅フォトギャラリー、2018)、『旅記』(禅フォトギャラリー、2019)、『続 (My Journey II. 1968-1989)』(禅フォトギャラリー、2020)等。香港M+美術館に作品が収蔵されている。

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