禅フォトギャラリーは、3月25日から4月23日まで渡辺眸写真展「天竺-Colour-」を開催いたします。「東大1968-1969ー封鎖の内側」(2015)、「香具師」(2017)に続き、禅フォトギャラリーでは3回目となる今回の渡辺眸の個展では、渡辺が1972年に初めて訪れて以来、ライフワークとなったインド・ネパールを撮影したシリーズ「天竺」のうち、選りすぐりのカラー作品を展示いたします。「天竺」は渡辺がスピリチュアル・ドキュメントとして70年代以降も撮影を続けたシリーズで、1980年代に撮影されたカラーは渡辺の感性を通して彼の地の人々の日常や土地のエネルギーが見事に表現された作品です。コロナ禍以降、旅が難しくなった昨今ですが、ぜひご高覧いただきイメージの旅をお楽しみください。

Artist Profile

渡辺眸

1968年、東京総合写真専門学校卒業。卒業時の制作展で「香具師の世界」を発表し、その後も撮り続けて「アサヒグラフ」「写真映像」に作品が掲載される。同じ頃、新宿の街を撮る中で全共闘ムーヴメントに出合う。'72年にアジア各国を旅しインド、ネパールを初めて訪ねた際、魂の原郷と感じてしばらく暮らす。帰国後「命あるもの」へのメッセージとしてスピリチュアル・ドキュメントを軸に撮影している。写真集に『天竺』(野草社、1983年)、『モヒタの夢の旅』(偕成社、1986年)『猿年紀』(新潮社、1994年)、『西方神話』(中央公論社、1997年)、『ひらいて、Lotus』(出帆新社、2001年)、『てつがくのさる』(出帆新社、2003年)、『フォトドキュメント 東大全共闘1968-1969』(新潮社、2005年)、『1968新宿』(街から舎、2014年)、『東大1968-1969ー封鎖の内側』(禅フォトギャラリー、2015年)、『TEKIYA 香具師』(地湧社、2017年)、『LOTUS』(野草社、2024年)など。2007年、銀座・大阪のニコンサロンで写真展「Early Works: 全共闘の季節」を開催。2013年に東京都写真美術館「日本写真の1968」展、2017年に国立歴史民俗博物館「1968年 -無数の問いの噴出の時代-」展、2018年に千葉市美術館「1968年 激動の時代の芸術」展、2021年に国立台北芸術大学関渡美術館「PROVOKE 挑釁世界 — 對中心主義的反抗」、2024年に埼玉県立近代美術館「アブソリュート・チェアーズ」に作品を出品。2024年夏にアルル国際写真祭で開催される「I’M SO HAPPY YOU ARE HERE - JAPANESE WOMEN PHOTOGRAPHERS FROM THE 1950S TO NOW」展にも作品出品を予定している。