2010年、国連難民高等弁務官事務所は、紛争や暴力、迫害によって、世界で約3,000万人が強制的に避難させられていると推定しています。 2021年には、その数は3,500万人の子どもを含む8,400万人以上に膨れ上がっています。

本書は、ビルマのジャングルにあるキャンプ、ギリシャとマケドニアの国境、スリランカやフィリピンの紛争の余波、中東で続く混乱から逃れる人々、拷問を受けた人々、明るい未来への道として教育を大切にする子供たちなど、20カ国以上で撮影した難民やその他の避難民の写真と、彼らが暮らす環境に関するモノクロ写真を収録しています。

さらに、異なる紙に印刷され、異なる美学を持つ3つのカラーセクションがあります。これは、特権的な立場にある写真家が、他者の挑戦をモノクロで表現することのリスクを認識しつつ、本書に登場する多くの人々を苦しめている障害を反映したものです。

また、撮影地が多岐にわたるため、難民や移民が豊かな国に与える影響という観点からのみアプローチしがちな欧米のメディアとは異なり、この大惨事の規模をより広い視野でとらえることができます。 また、本書の随所に難民の証言が掲載されており、撮影された人々の声を伝える試みもなされています。

ハードカバーの表紙には、拷問を受けた難民の傷跡が浮き彫りにされています。 また、本にはポストカードが挿入されており、このポストカードには、最新の避難民の原因であるロシアのウクライナ侵攻のことが書かれています。悲しいことに、人間は同じ過ちを繰り返してしまうのです。

本の売上はすべて難民を支援する慈善団体に寄付されます。

― 出版社説明文より

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