がんを抱えながら輝き続ける女性たちに感銘を受け撮影を開始したポートレート集。

 

“SHINING WOMAN #cancerbeauty”

女性にとって、子宮、乳房、卵巣、髪を失う事は深い深い悲しみです。

絶望と発狂。

出産を夢みる若い女性。
不妊治療をしている女性。

がんになり、子宮、卵巣、乳房を失うと同時に、自分の子どもを産むという夢までをも失う。

女性のシンボルを失う恐怖と向き合う事は、女性性の死を予感させる。

その恐怖を受け入れる事との、地獄の対話。

それでも女性達は、口紅をひき、素敵なお洋服を身に纏い、ウィッグを着用し、戦場である、外界に出ていく。

言葉の暴力と偏見。

無意識とは本当に恐ろしいもの。

卑劣な言葉に対し、人を憎んでしまう事への失望。

でも、私も同様に卑劣な言葉を無意識に使っているかもしれない。

同じ女性として、自分にも起こりうる事。
そして、男性も大切な人に起こりうる事。

女性のがんだけでなく、がん患者に対する概念を変えたい。

女性達が生きやすくなる世の中になって欲しい。

変わらぬ大切な日常として、外界に出れるよう。

乳房、子宮、卵巣、髪を失っても言葉の暴力に合わぬよう。

女性性は臓器によって、決められるものではない。

全ては生きる事を選択した証。

女性はいつだって、どんな絶望でも受け入れ、美しくいる事の強さがある。

輝くという本当の意味を知っている。

命と闘える力がある。

子供の成長を見届ける事が夢だという女性。
大人になって恋愛する事が夢だという女性。

Life is beautiful.

Anytime,

Anywhere,

Any case.

命の芯はいつだって美しい。

女性達は輝いている。

― 殿村任香

-判型
200 × 200 mm
-頁数
144頁、掲載作品76点
-製本
ハードカバー-
-発行年
2020-
-言語
英語、日本語-
-エディション
1000
-ISBN
978-4-910244-01-3

Artist Profile

殿村任香

1979年生まれ。大阪ビジュアルアーツ放送・映画学科卒業後、2002年より写真を撮り始める。2008年、自身の家族の日常を赤裸々に撮った「母恋 ハハ・ラブ」を赤々舎より出版。鮮烈にデビューし、世間に重い衝撃を与えた。2013年には、新宿歌舞伎町でホステスとして夜の人々と生きながら撮った「ゼィコードゥミーユカリ」をZen Foto Galleryより出版し発表した。近年の著作に「orange elephant」(2015年、Zen Foto Gallery)、「cheki」(2018年、Morel Books)、「焦がれ死に die of love」(2018年、Zen Foto Gallery)、「SHINING WOMAN #cancerbeauty」(2020年、Zen Foto Gallery)、「母恋 ハハ・ラブ」新装版 (2021年、Zen Foto Gallery)、「Toxic」(2022年、Zen Foto Gallery)がある。また、国内のみならず海外での活躍も目覚ましく、2016年には香港のBlindspot Galleryにて開催された「Shikijo: eroticism in Japanese photography」展、2018年5月にはロンドンのDaiwa Foundation Japan House Galleryにて開催されたグループ展などに参加。2022年、パリのヨーロッパ写真美術館のグループ展「Love Songs」に出品した「母恋 ハハ・ラブ」が同館のコレクションとして収蔵された。また、同年のKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭において開催された10人の女性写真家によるプログラム「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」にも作品を出品している。

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