ERICは1997年、生まれ育った香港が中国に返還される直前に日本にやってきた。それから20年近く経った頃、世界各国を撮影してきた彼は真剣に香港と向き合いたい、真っ正面から「香港人」の様子を撮りたいという気持ちが湧いて、「Good Luck Hong Kong」を撮影し始めた。

写真に対する好奇心は、香港から日本へ移った時の好奇心と一緒だ。むしろ、写真と出会ったことによって絶えず新しい興味が湧いてくる。その好奇心は、今進化して僕の生きるアドレナリンになっている。このアドレナリンは写真撮る快感から生まれている。すれ違いざまの刹那、その刹那に躊躇なく踏込み撮影する。そのスリルがたまらなく好きなのです。

香港を離れてから今にかけて政治などの背景は変わっているけど、香港にいる人々は相変わらず個性を垂れ流している。いつでも人間に手足がついてる限り、やることの本質は変わらないのだろう。
僕の好奇心が強く、写真ばかり撮り続けるのは、僕の本質も香港から生まれているからかもしれない。

—ERIC(あとがきより抜粋)

判型
297 × 210 mm
頁数
100頁
製本
ソフトカバー
発行年
2018
アートディレクション
おおうちおさむ
言語
英語、日本語、中国語
エディション
700
作家本人による手焼きカラープリント
シートサイズ
8 x 10 inches
エディション
30 (イメージ5種、各エディション6)

Artist Profile

ERIC

1976年香港生まれ。1997年に来日し、西村カメラで写真を学ぶ。2001年に東京ビジュアルアーツ卒業。同年「蓄積と未来」でコニカフォトプレミオ大賞受賞後、2002年「一日と永遠」で第19回写真ひとつぼ展グランプリ、2004年「every where」で第2回ビジュアルアーツフォトアワード大賞、2009年「中国好運|GOOD LUCK CHINA」で第9回さがみはら写真新人奨励賞など受賞多数。主な写真集に『中国好運』(2008年 赤々舎)、『Look at this people』(2011年 赤々舎)、『EYE OF THE VORTEX』(2014年 赤々舎)、『香港好運』(2018年 禪フォトギャラリー)、『We Love Hong Kong』(2019年 赤々舎)、『東京超深度掘削坑』(2022年 禪フォトギャラリー)がある。

Gallery Exhibitions